皆さん、生涯自分の歯で、美味しい食事を食べ、笑顔で過ごしたいですよね。では、それを実現するにはどうしたら良いと思いますか?
虫歯になったら歯医者に行って治しているから大丈夫。高価な歯磨き剤・歯ブラシを使っているから大丈夫。昔から歯は丈夫だから歯医者に行かなくても大丈夫。
果たしてそれで本当に大丈夫なのでしょうか?
歯の治療(削る)を繰り返すことは歯の寿命を短くする
皆さん虫歯を削って何か詰める、被せたら歯が治った(元の状態に戻った)と思いますよね。
確かに穴はなくなって、痛みもなくなって、元に戻ったように思います。
でも実際は、再生能力のある天然の組織だった部分が、ただの人工物に置き換わっただけです。
歯と人工物の境目には必ず段差が生じ、虫歯のリスクが数倍に跳ね上がります。
更にその人工物は平均して7年ほどで壊れ、また歯を削り段々と大きな修復物に変わっていき、最終的に歯を失ってしまいます。
歯周病はサイレントキラー(沈黙の殺し屋)
昔から歯は丈夫で歯科にほとんど行ったことがない人多くいらっしゃいますよね。
そういう方は特に要注意で、知らない間に歯周病が進行しているかもしれません。
最近歯磨きの時血が出る。歯がしみるようになってきた。歯が長くなってきた。少し揺れている歯がある。等、1個でも該当する方は歯周病が進行している可能性があります。
歯周病が怖い所は悪化するまで症状がほとんど出ないことです。
そのうえ進行するとなかなか改善しません、症状が出る頃には骨が大幅に溶けて無くなってしまっていて、手遅れになっている場合もあります。
これまでの歯科
これまでの歯科で主にしてきたことは、悪いところを取って、修復することです。
もちろん悪いところを修復することは非常に大切なことです。
でも残念なことに、そのほとんどが修復して終わりでした。
歯周病に対する処置も単に表面を掃除するだけで終わりが大半でした。
原因の追及、その後のフォローが無いのです。その結果、悪化が止められず崩壊を繰り返し、日本人高齢者の残存歯数は医療先進国の中で最低水準です。
大切なのは悪化の原因を改善すること
治療することは大切ですが、もっと大切なことは、新たな悪いところを作らないことです。
なんで悪くなってしまったのか原因を追及し、それを改善しない限り、治しては壊れ、治しては壊れる負の連鎖の繰り返しで、悪化する一方です。
将来のために定期的な歯科メンテナンス(予防)を
高齢者になっても多くの歯を残すためには、定期的に歯科医院でメンテナンスをしてもらうことです。
事実、スウェーデンでは約90%の人が定期的に歯科メンテナンスを受けており80歳で20本以上歯が残っています。
ちなみに日本人は80歳で10本程度です。
残存歯数が多い人と少ない人の間には医科の医療費が2倍ほど違ったというデータもあります。結局、歯が少ないと食事も食べられず、健康寿命が短くなり、より介護期間が長くなってしまいます。
まとめ
生涯自分の歯で、笑顔あふれる幸せな生活をおくるためには悪くなってから歯科に行く昔からの日本人の悪い慣習を改めることです。
良い状態のうちから歯科医院に定期メンテナンスに通い、新たに悪くならないこと、良い状態をキープすることが最も大切です。今からでも遅くありませんので、近くの歯科医院に早急に受診されることをお勧めします。