(サクセス編)
17、「事実、知識によるイノベーションは、ほかのいかなるイノベーションよりもマネジメントを必要とする」
『イノベーションと企業家精神』P.135
新しい知識によるイノベーションは大きな成果を生む反面、形になるまでにかなりのタイムラグが生ずる。また、こういったイノベーションは複数の新しい知識の掛け合わせにより生まれることが多い。そのため、専門家としてのこだわりでなく、経営者としての視点から将来的な市場のニーズを見越しつつ手段を取捨選択していかなければならない。
18、アイデアによるイノベーションのうち、いずれに成功のチャンスがあるか、いずれに失敗の危険があるかは誰にもわからない」
『イノベーションと企業家精神』P.152
斬新なアイディアによるイノベーションは、成功する確率が低く、投資した労力や資金を回収できる場合は少ない。そのため、かなりギャンブル的要素が強いものと言えるだろう。組織としては、リスクは負うにしてもギャンブル要素の強い選択をすべきではない。よって、計画的に行動し、明確な目標を持ってイノベーションを追求することが望ましい。
(NG)
自分独自に今までに無いまったく新しいオリジナルの占いを開発して、それを顧客に対して提供することで成果を上げたい。
↓
斬新すぎる占いは、時として顧客を混乱させるおそれがあるため、受け入れられがたい。仮にそれが受け入れられたとしてもかなり時間がかかる。
(Good)
これまで鑑定してきた経験が積み重なって、既存のものよりもより分かりやすく面白い占いがある程度周知のものとなったので、鑑定メニューのひとつとして設けたい。
↓
自然な形で時間をかけて完成された新しい占いが、ある程度周知のものとなっている場合(例えば、携帯アプリなど)、着手して成果を出すのにはそれほど時間と労力はかからない。
(チームワーク編)
1、「決定において最も重要なことは、意見の不一致が存在しないときには決定を行うべきではないということである」
『経営者の条件』P.198
「決定する」ということは数ある選択肢の中から選びとるということを意味する。自分ひとりで決定すると、そこには「自己満足」「独りよがり」という落とし穴がある。そこで、決定に至るまでは複数の人と意見を交えることが必要になってくる。特に重要なのは、同調する意見ではなく反対意見である。対立意見は今ある意見をさらにより良いものにしてくれるための研磨剤である。対立意見の中にこそより良い決定の糸口が隠されているのである。
(NG)
自分は占い師なのだから、同業者である他の占い師に占ってもらうことは避ける。自分の顧客のためにもあくまで自分の占いの世界観を大切にする。
↓
自分以外の占い師がいったいどのような鑑定方法を選択し、どういったアドバイスをしているか、ひいてはサービスや料金体系がどうなっているのか分からないまま、意固地に我を通してしまう。
(Good)
同業者であるからこそ、自分の占いの在り方と違う点を学びに行くべく、他の占い師のところへ占いに行ってみる。
↓
謙虚に、しかし自信を持って同業者の在り方を見つめることにより、今の自分の占いの長所と短所がわかる。そうすることで、自分を修正したり相手の良いところを取り入れることができる。そして、占い以外のサービスや料金体系のことにも敏感になれる。
つづく。
(脇田尚揮/ミンストレールグループ代表理事)