求人広告に特化した制作会社EVER RIDEを運営する中尾隼人さん。
2018年3月18日にくらサポラジオに出演して頂きました。
その際にお話して頂いた内容が人手不足に悩み、求人に悩んでる方、全ての方のお役に立つのではないかと思いましたのでコラムとしてもお伝え致します。
1つの施設に250人の求人応募が殺到!
現在、日本の有効求人倍率は厚生労働省の求人、求職及び求人倍率の推移によると平成21年の0.5から右肩上がりに伸び、平成30年2月には東京都で2.0という数字が発表されました。全国的にも1.58という高い数字が出ています。
※厚生労働省 求人、求職及び求人倍率の推移
どこの業界も人手不足に頭を悩ませている中で、50万円かけて2人採用出来れば御の字というさらに厳しい介護業界。
また、応募が来ても良い人材が来ない。すぐ辞めてしまう。などの人に関わる悩みは尽きません。
しかし、ある1つの介護施設に250人の応募が殺到!
その広告を制作したのが中尾さんの会社です。
望んだ人材が集まる仕組みとは?お金をかけずにすぐ出来る!人が集まる求人方法とは?
求人広告の作り方、決定版!ズバリ解決します!
求人広告で変わりますか?の質問に笑顔で「変わります!」
ラジオの中でパーソナリティが
「求人広告で変わりますか?」と直球どストレートの質問に「変わります!」と笑顔で答える中尾さん。
ーー中尾さんが介護業界に特化した求人を制作するきっかけは?
「介護のコンサルタントの人からサイト制作を紹介で頼まれて。その中で介護施設も同時に立ち上げるって事で求人もやる事になりまして。その中で成果が出て。自分では当たり前だと思っていたノウハウを入れ込んでいったら、応募が集まったのでここをもっと掘り下げて行こうという事になりました。」
求人広告に具体的なノウハウってあるの?
「人を集める為の具体的なノウハウってあるんですか?」というまたまたどストレートな質問に
「いちばん分かりやすくご説明すると、求人広告の作り方として、作り手側(制作側)のこんな感じだよね。というもので作ると基本的に集まらないんですよね。例えば採用担当者や求人誌の担当者が、このデザインいいよね。と作ったデザインは(人が)集まらない傾向があるんですよね。」
うぅぅ。耳が痛いお言葉。
大事な事は求職者目線。そしてリサーチとインタビュー
「大事なのは求職者の人が見ていいな。と思うデザインにならないといけないので、そこから逆算すると、時には大人の自分たちから見ると、ちょっと違うんじゃない。と思ったものがハマったりするので、求職者側からリサーチ、色々インタビューした情報をもとに求人広告を組み立てていく。それが集まりやすいコツですね。」
徹底したインタビュー。そこに全て必要な要素がある
ーー中尾さんは依頼を引き受ける時に徹底したインタビューをなさるそうですね。それは何故ですか?
「まず思い込みで広告を作ってはいけないので、作り手の主観にならないようにです。」
「実際に働いているスタッフが、何が良くて働いているのか。
転職してきた人なら、前の職場で抱えていた不安やストレス。どんなきっかけで、どんな悩みをもって、他にどんな選択肢があって、決め手は何だったのか。
また入ってみてどうだったかなど、大げさに言えばその人の半生、ストーリーを聞いて、思いにどんな変化があったのか。そこが(求人広告を作るにあたって)全て必要な要素になってくるんですね。」
自分たちの思いと求職者の悩みをリンクさせる
ーー自分たちの職場はこんないい環境で、こんな所を目指しているというのを一生懸命伝えてたんですけど、それは違うんですね。
「それも大事です(笑)。それも大事なんですが、やっぱり思いがない施設はないと思いますし、思いがなければ人は集まらないです。でも大事なことは自分たちの思いと、これから来るであろう求職者たちの悩みや現状抱えている問題を、どう解決していけるのかという事とリンクさせていく。順番として相手の事を知って共感した上で、解決策として自分たちの思いがある。という流れだと思います。」
まずは相手の気持ちから出発する
ーー介護は転職しようとする人が多い業界ですよね。そういう時って今まで何か足りないものがあって、それを解決する為に転職するんですもんね。それが伝わるような求人ってことですよね。
「まずは相手の気持ちから出発しなければいけないという事です。広告でも面接するときも同じです。相手の情報、人となりを知りたいと思って共感して同調した上で、自分たちの制度を説明することで“ここだったら変われそう”“楽しそう”“面白そう”と思えるようになると、始めて心が動くんですよね。」
面接や説明会でやりがちな情熱の空回り
ーーでも心が動いて面接にたどり着いても「あれ?やっぱり違う」「ご縁がなかった」ってケースも多いですよね?
「最近はそこの部分が多くて、よくよくお話を伺ってみると、応募はゼロじゃない。むしろ1とか2でもなくて5とか10とかあったりするんですね。でも全然良い人材じゃなかったと言って、全員不採用みたいなのがあるんですけど、そこに落とし穴というか改善の余地があるんですね。これは介護業界に限った事ではないのですが、面接とか説明会で、自分たちの思いや一方的な情報発信をしがちですよね。」
ーーやります笑。1人来てくれると“よし!離さないぞ”と思ってしゃべり倒します!
「気持ちが、情熱の空回りですよね(笑)。まずは相手の事を知らないことには。例えば中途だったら“どう新しい所だったら変えられるだろう”とか“どう今より良い生活が出来るだろう”と思って来ているので、まず相手が何に悩んでいるのか、どういうことを希望しているのかという事を聞かないと。それは単純に何を望んでますか?という事ではないです。色んな話を掘っていくと、本人も自分の話が出来るようになって、その後にこちらの思いと結びつけていく訳ですよね。」
離職率の高さは「出会い方がマズかった!?」
ーーさらに踏み込んでいくと採用がうまくいっても離職率が高いというのは、何か解決策があるんですか?
「離職率の高さは、もちろん研修制度が確立してないというのも大きくあるのですが、もう少し簡単に改善出来る方法があって。離職率が高いとこは得てして“出会い方がマズイ出会い方をしている”というのがあります。人材採用だけではなくプライベートもそうです。友達との出会い。恋愛での出会いでもそうですね。出会い方がマズイ。
分かりやすく言うと、出会い方で後から知らない情報が出てくるとかってありますよね。」
ーーズキズキくる笑
「それは求人も採用も同じで、会社の思いがあったとしても現状会社にも問題がある。それは会社にとって弱みでもあると思うのですけれど、大事なことは“出会いの時にその弱みをちゃんと出しておくこと”です。一緒に頑張って行こうねと話していたのに、入ってみると“すごい良いこと言ってたのに激務で全然違う”といって辞めていってしまう。大事なのは現状として人手が足りていない。だから最初は大変かも知れないけれど、改善の案から一緒に組み立てる手伝いをして欲しいという話をしておけば、目の前の問題にフォーカスしないでちゃんとゴールを見据えて働けますよね。」
相手の情熱を信じた上で弱みを出す
ーーもう少し先の事までそれをちゃんと伝えるという事が大事なんでしょうね。
「介護業界はそもそもキツイ・汚い・給料安いという3Kを耳に入れた上で来ている人が多いので、そこにやりがいを求めているのではなくて、何か人の役に立ちたいとか、単純にありがとうと言われてみたいとか、そういう気持ちで来ている人が多い訳ですよね。その相手の情熱を信じて弱みを出した上で、一緒にやっていくという姿勢だけでも結構変わります。」
弱み、消したい記憶、つらい思い出が強みに変わる
ーー強みってどうやって分かるんですか?
「強みって自分じゃ気付かないんですよね。自分では当たり前だと思っている事が強みだったりするんですよね。施設にしても客観的に外の人に聞く。スタッフに聞くというのが大事になってきます。」
「自分の強みはナナメ45度上を目指すことではなくて、足元にあるもの、あとは背中というか。特に個人の魅力って何だろうと考えると、大体思いつかない事が多いですけれど、結構多いのがその人が弱みだと感じてる事とか、消したい記憶とか辛い思い出というのが本当に強みに変わっていること多いですよね。」
「特に学生の時は人と違うことを恐れるじゃないですか。見た目とか動作に特徴があると、必ず槍玉に挙げられるというのがあるのですが、これが大人になると完全に逆転して自分らしさを出して、覚えてもらってその人となりが出来上がっていくので、その負い目をちゃんと前に出すことで、いい意味での特徴になっていくという事がすごく多いですね。」
正しく知るという事
ーー求人する側もきちんと分析して努力しないと見合った人が来ないぞ。という事でしょうね。求人される側も自分の強みをアピールしていかないといいマッチングが出来ないって事でしょうね。
「正しく知る。ということですね。ありのままの自分を客観的な判断も加えながら正しく判断していく事が大事じゃないですかね。」
お金を使わずに求人の効果があがる裏技とは?
ーー最後にお金を使わずに求人の効果が上がるその心は?というところなんですけども。
「お金をかけないで今までより良い反応を得られる方法が簡単にあって、その内のひとつがハローワークなんですよね。ハローワークの記事の書き方を改善するっていうものなんですけども。」
ーーハローワークって項目を埋めていくだけですよね?
「そうです。埋めていくだけなのですが、そこで差をつけられるのです。ハローワークは数字の羅列で比較するだけだと思われがちですが、仕事の項目や備考の部分はもっと入るので、フル活用して欲しいです。例えば自分たちが褒められる言葉とか、職場でココに来てよかったと言われる所などをまとめて書くと良いです。
「例えば、柔軟なシフト体制なので子供の急な発熱にも対応出来るのでママさんにオススメです。とか
〇〇施設の楽しく働ける5つのポイントなどを書いて、詳しくはWEBサイトを検索などで自分のサイトに飛ばすのです。
ちょっと興味を貰えるような事を書いて、サイトに飛ばして呼んでもらう。タダですから!。」
中尾さんのラジオ出演は動画でも配信しています!
吉川美津子のくらサポラジオ第25回2018年3月18日
素敵な情報をありがとうございました!