皆さん、はじめまして。岩手県常堅寺住職の後藤と申します。
私は東日本大震災を経験しその復興活動の中で、手を合わせ支え合う事や、何もできなくても祈ることの大切さを多くの方々から学びました。
人生には多くの別れがつきものですが、多くの出会いもあります。それはまるで喜怒哀楽の荷物をバックに詰めて、生老病死の列車の旅に出るようなものです。
泣いたり笑ったりの人生列車にゆられ、花をながめ歌でも口ずさめば旅もまたいいものです。花のように風のように、人生の旅を続けるあなたへ応援歌を贈ります。
心の復興活動と桜樹木葬
私は東日本大震災の2年前(今から10年前)桜樹木葬を開園しました。その当時から「お墓を今後管理できない、子供たちに負担をかけたくない」そんな相談を檀家さんから多く受けていました。
ちょうどその頃、桜樹木葬という管理や負担が少なく「悲しみに寄り添い、いつまでも見守る」という新しいカタチのお墓があることを知り、これからの時代にふさわしいと考え、この樹木葬墓地造成にとりかかりました。
そして桜樹木葬を開園して2年後、あの東日本大震災が発生したのです。
こんな時自分に何ができるかと自問自答し、その果てに思いついたのが「悲しみに寄り添い希望の花を被災地に咲かせる」という鎮魂の桜植樹活動でした。この活動は桜樹木葬のコンセプトが原点でした。
桜は戦後、鎮魂の花として植樹され、今各地で見事な花を咲かせているように、死者を悼み希望を与える花です。そして6年間で植樹した数は千本になりました。
大津波で多くの方々が犠牲になったように、誰のところにも超高齢化と多死社会という第二の大津波がやって来ます。
そんな時、桜のように人々に寄り添い励ましあい、自分の死をどう迎え、そしてどのように葬られていくかを示してくれる樹木葬は、終活の道標になるのではないかと思います。
誰でも花のように風のように生きることができます。いつまでも見守る桜樹木葬について、これから皆さんと一緒に考えていきましょう。
音楽のチカラで応援歌贈ります
東日本大震災は誰の心にも深い傷を作りました。
誰もが声も出ず下を向いてため息をついていました。
私も相当落ち込みました。
そんな時思い出したのが「歌う住職」として有名な大分県の南さん。かの有名なフォークシンガー、南こうせつさんのお兄さんです。
さっそく、南住職を被災地にお呼びし、一緒に仮設住宅を回り歌で元気を伝えました。
家族を失い茫然自失の方々が、歌の力でまるで魔法にかかったように元気を取り戻す姿を間近に見て、私はこの時「音楽の力はスゴイ!」と全身が震えました。この時から、いつか自分も音楽ができたらいいなと思うようになりました。
それから数年後、ウクレレシンガーさんとの出会いで、今では病院や避難所、介護施設で下手ながらウクレレを弾いています。
音楽は認知症の予防改善効果や、なんといっても若き思い出がよみがえる回想効果があります。
災害における心の復興で経験した音楽のチカラを、これから多くの施設や場所で発揮できるかもしれません。
お呼びいただければどこでもお邪魔しますよ。和尚のウクレレ一曲いかがですか(^o^)
インスタ「てあわせ花言葉」で毎日元気エール贈ります
花は悲しみを癒やし、希望を与え心穏やかにしてくれます。
見ているだけでも和やかになることができます。
それならばメッセージ添えてSNSで発信してみようと始めたのが「インスタ和尚の心の応援歌」です。
季節の花や自然、寺で飼っている柴犬、お地蔵さんなどが毎日登場します。
最近では「癒やされました」や「心が楽になりました」などのメッセージも届きます。
お一人暮らしや、施設に入所の方、緊張連続の介護士さんなど、誰にもホッとする時間は大切です。心がほんわかする「ホットケア」(ホトケのケア)な花言葉で穏やかに和やかに。
「teawase」または「てあわせ」で検索を。ぜひ一度ご覧くださいね。
まとめ
現代、誰もがかかえる苦しみ悩み、そして毎日の生きづらさを多くの人が感じています。
でも、そこから這い上がろうとする人間の内なるチカラ、それが「お互い様だね、絆だよ」だということを震災で学びました。
実はこの「縁やお蔭さま」という言葉は、長い日本の伝統や生活の中で培われてきたもので、その根底には仏教が流れています。
日本人が年月をかけて育んだ大切な宝(智慧)は、超高齢化の扉を開くカギだと言っても良いでしょう。
介護する人もされる人も、家族も地域もみんなが、ご縁のネットワークで結ばれていることを知れば、不安な心の雲から光が差し込んできます。
私にとって楽に生きる仏教の智慧、それを伝えるメッセージが花やウクレレ・インスタです。
これから時々このコラムに投稿していきます。皆さんのお役に立つことができれば幸いです。
合掌 てあわせ