(エグゼクティブ編)
1、「私が知っている成果をあげる人は、気質と能力、行動と方法、性格と知識と関心などあらゆることにおいて千差万別だった。共通点はなすべきことをなす能力だけだった」
『経営者の条件』P.41
ドラッカーの言う「エグゼクティブ」とは、会社の業績に貢献すべく行動し、意思決定を行うもの全般を指す。そこに地位や年収は関係ない。要するに「仕事のできるビジネスマン」のことである。一見すると「能力の問題」であるようだがそうでなく、成果をあげるエグゼクティブには誰もがなれる。大切なのは、以下の5つの習慣を身に着けているかということである。
①時間を体系的に使う(時間の管理に努める。まとまった時間が成果を生む)
②期待されていることを意識する(「やりたいこと」でなく「してほしいこと」をやる)
③自分の強みから考える(短所を減らすより、長所を伸ばす)
④常に最優先の仕事をする(大きな成果が期待できるものから取り組む)
⑤手順を明確にする(仕事の進め方を決めてからスタートさせる)
(NG)
①来るか来ないか分からないが、売上げのため常に店を開けて顧客を待つ。
②顧客の満足を優先するよりも、自分の満足できる鑑定を行う。
③不得意な占いがあるので勉強(たくさんの占いをマスター)してから開業する。
④地域の顧客ひとりひとりに対応するため、出張やセミナーには行かない。
⑤とにかく「当たる」占い師になるように努力する。
↓
努力がなかなか実らず、成果が出にくい。
(Good)
①完全予約制にして、自分の仕事のコントロール、顧客の調整を図る。
②自分の鑑定の満足度よりも顧客の満足度を最優先にする。
③得意な占いに特化して自分独自の技術を磨いて開業する。
④上記①により顧客の調整、告知の徹底を図り、「1対多数」のイベントに参加する。
⑤どういう占い師になりたいかのビジョンを明確にし、それに沿ったアピールをする。
↓
努力が実りやすく、成果が出やすい。
2、「貢献に焦点を合わせるということは、責任をもって成果をあげるということである」
『経営者の条件』P.84
組織が成果をあげるにはその組織共通の判断基準が必要となる。そしてその判断基準は「社会への貢献」である。要するに「仕事の成果」とはどれだけ「社会に貢献」したかで推し量ることができる。そうすることにより、自分の可能性を発見することができるようになる。自らに社会貢献を課すことで自分を成長させ自己開発ができるのである。
(NG)
占い師は責任もないし資格も不要なので、小遣い稼ぎのために始めてみる。
↓
手軽さや利益目的だと、顧客の問題や多様な悩みに押し潰されて、自分自身も精神的に病んでしまい長続きしない。
(Good)
人の悩みを聞いて少しでも悩みを解決してあげたい、何も無い自分でも誰かを元気にしてあげたい、という動機から占い師になる。
↓
顧客の悩みを聞くことが快感になり、いつしか顧客に癒されている自分に気がつくことができる。結果、自他共に満足できる社会貢献に結びつく。
3、「たとえ実際に何らかの制約があったとしても、することのできる適切かつ意味のあることはあるはずである」
『経営者の条件』P.131
成果をあげる人は、優先順位の高いものから手をつけ、与えられた範囲で全力を尽くしている。実際に自分でコントロールできることはそんなに多くない。しかし、自分自身の強み、「自分らしさ」を最大限に発揮して自分のパターンを知っている。結局、誰かの真似をするのではなく自分の資質をフルに活用するほうが、成果を上げられるのである。
(NG)
自分独自の鑑定方法だと信憑性がないので、とりあえず一般的に皆が知っている占いをマスターすべく、占い講座で勉強して占い師になる。
↓
いつまでも既存の占いの殻を破ることができず、自分の創造性を発揮できないためやりがいを実感しにくい。
(Good)
自分がもとから興味のあった占いを勉強してそれが顧客に通用するか実践してみる。上手くいけばさらに練磨し、そうでなければ軌道修正を図る。その繰り返しにより、独りよがりでない自分独自の占いを完成させる。
↓
自分の力で作り上げた占いにより、「自分らしく」創造的な仕事に取り組める。結果、占うことが楽しく、占いについての新しいアイディアもたくさん沸いてくる。
つづく。
(脇田尚揮/ミンストレールグループ代表理事)