くらサポラジオ視聴者質問コーナー①
「母が急な入院。今後の介護サービスを利用する手続きは?」

東京レインボータウンFMで、毎週日曜日(18:20~19:00)に放送中「吉川美津子のくらサポラジオ」。

視聴者から寄せられたご質問に、コラムでおこたえします。

今回は第1弾。

「母が急に体調を崩して入院。これから介護保険サービスを利用するには、どんな手続きが必要ですか?すぐにサービスを利用できますか?」

介護保険の利用には、申請手続きが必要です

ご存じのとおり、医療保険では、加入者全員に保険証が配られていて、いつでも自分の意思で医療サービスを利用できます。

しかし、介護保険は少し違います。利用開始の際には申請手続きが必要になるのです。申請をすると、下記のように「要介護認定」が進みます。

①利用申請

②ご本人への訪問調査

③介護認定審査会で、その人の「要介護度」を決定

④ご本人へ「介護保険証」を交付

 

①から④まで、1か月ほど時間が必要です。

ご心配無用!手続きは難しくないのです

このように書くと、複雑な手続きのように感じるかもしれませんが、ご心配無用!とっても簡単です。

ご本人やご家族がするべき事は、市区町村の介護保険担当課への申し込みだけ。あとは行政が進めてくれます。

申込と訪問調査が終われば、介護保険証が届くのを待つだけです。

しかも、市区町村の窓口にもいかなくてよい場合も多いのです。

皆さんがお住まいの地域の中に「地域包括支援センター」があります。そこにお電話で相談してみてください。
丁寧に対応してくれるはずです。

また民間が運営する「居宅介護支援事業所」というケアマネージャーの事務所も、たくさんあります。ここに相談しても大丈夫。
まずはお電話してみてください。

「要介護度」で利用できる額が決まる

医療保険では、必要なぶんだけ医療サービスを利用できるのは、当たり前の事ですが、介護保険は、そうではありません。

「要介護度」に応じて、利用限度額が決まっています。

要介護度は、下記の通りの8段階。

①自立(介護保険サービスは利用できません)

②要支援1~2

③要介護1~5

数値が大きくなるほど状態が重度だという判定で、重度になるほど利用限度額も高くなります(サービスを多く利用できるようになる)。

今すぐにサービスを利用したい

急にサービスを利用しなければならなくなった場合、介護保険証が届くまでの1か月間、待っていられない場合もあります。

そんな場合も、ご心配なく。

介護保険は、行政の窓口に申請した日から利用できるようになっています。

その時点では要介護度がわからず、どれだけサービスを利用できるかも未確定ですが、専門家が見れば、おおよその見当はつきます。

限度額を超えないだろうと想像できる範囲で、すぐにサービスを利用開始することが可能なのです。

まとめ

初めて介護保険を利用するとき、誰でもわからない事や戸惑う事があります。

利用開始の手続きが終わってからも、サービスを利用していく中では、手続きの連続です。

そのような時、一番身近で頼りになるのが、ケアマネージャーです。

その名の通り、介護保険の利用に関することは、なんでもマネージメントしてくれる存在です。

介護保険の利用にあたって一番大切なことは、話しやすくて信頼できる担当ケアマネージャーを見つけることだと、私は考えています。

日本福祉大学社会福祉学部卒業。社会福祉士。 20代から飲食チェーンの会社に勤務。35歳を機に福祉事業での起業を目指して、介護の現場に従事。新規社会福祉法人の設立に参画し理事に就任。特別養護老人ホームなど5事業所の統括施設長として新規開設に携わる。地域で頑張る小さな介護事業所を支えたいとの思いから独立開業。福祉事業コンサルとして、支援を続けている。 http://kurashi-lab.co.jp/

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