日本クールシニア推進機構の柳です。
今回は、当機構理事、稗田素行がチャレンジしている「全国・講師オーディション」でビデオ出演し
「人生100年、どんなシニアになりたいですか?」というタイトルでお話させて頂いた内容を、記事としてご紹介致します。
クールシニアとは
こんにちは、日本クールシニア推進機構の稗田と申します。
私は今年で61歳になります。十分、シニアの仲間入りです。皆さん、クールシニアってなんだろうと思われたかもしれません。
私はこの機構と出会って約1年経ち、今年の4月から理事として活動しています。
どうしてクールシニア活動をするようになったか、一体クールシニアって何なのかについてお話ししたいと思います。
自分の人生を振り返って
今年の2月、私は32年間勤めた会社を定年退職しました。
今、61歳ですから32を引いて29歳の時、やや遅めの会社員生活が始まりました。
そこまでが、人生最初の我儘な30年の第1期、そしてがむしゃらに働いた会社員生活約30年の第2期、さらにはこれから3人に一人が90歳まで生きると言われているので、あと30年の第3期、と30年ずつの3分割人生。
この3分割のサードステージを真剣に考えるようになったのは50代半ばからです。
20代の頃、40年先のことなど誰も考えませんよね。
もちろん私もそうでした。
大学を出たあと、ミュージシャンを目指してひたすらライブ活動をやっていました。
当たり前ですが、売れないミュージシャンはワンさかといます。
当然のことながら私もその売れない仲間でした。
30歳というのが私自身のレッドラインでした。世間体ってやつですか、長髪(今じゃめっきり寂しくなりました)、Gパン、Tシャツ姿(昭和ですね)から刈上げ、ネクタイ、スーツ姿に衣替えです。
それは真面目なサラリーマン生活でした。
年功序列、終身雇用が崩れかけそうになっても疑うことなく働き続けた、というのが正直なところですかね。
明らかに今言うところの蛸壺会社員でした。
会社の外のこと、2〜30年後にやってくる定年のことなど考える暇なく日々が過ぎていました。
人間、どんな課題でも目の前に迫ってこないと本当に真剣には考えませんね。
試験勉強が然り。漸く50代半ばになって何となくゴールが見えてきて、初めてその先を考え始めました。
クールシニアとの出会い
で、定年の後どうなるんだろうと考え始めたら何ら展望が見えない自分に気が付いたんですね。
定年退職者の多くの人が同じような経験をしているんじゃないでしょうか。
まぁでも、平成25年に施行された高齢者雇用安定法で65歳まで雇用機会が拡大されましたので、周りの先輩方は取り合えず2〜3年会社に残って責任ない楽な仕事をして過ごし、それから年金生活に入るってパターンの人が意外と多いんですね。
そして外出することも少なくなり、やたらとテレビ番組に詳しくなっている。
体が動くんだったら外に出て仕事でも地域の活動でもすりゃあいいのに、と感じたものでした。
私はこんなサードステージは絶対いやだと思ったんですね。
そんな時クールシニアの活動に出会いました。
実はこういったある意味、社会を引退してのんびりと過ごしているシニアがいる反面、世の中には還暦過ぎて、70になっても80超えても、色々な人と交流し、自分のやりたいこと、やるべきことを見つけ出して、楽しんで生きているシニアもたくさんいることに驚きました。
クールシニアのクールって冷たいってことじゃないですからね。
宅急便みたいな便利な年寄りということではありません。
クールは「素敵な」とか「いかした」という意味を持っていて、要するに「かっこいい」シニアのことです。
◎事例1(飯塚さん)
最初に出会ったクールシニアは元銀行員の活動的な70代女性です。
銀行員時代は海外勤務も経験したキャリアウーマンの走りの方です。
銀行では後輩との交流を非常に大切していたそうです。
その縁もあって、多くの世代の人との交流を今でも続けていらっしゃいます。
茶道をずっと続けていたのでそれを生かしてシニア茶道教室を開いていますが、茶道だけでなく仕事や生活面での悩み相談を世代超えて行っています。
「70超えてますます人生が楽しくなってきた」と言ったのが私には衝撃的でしたね。
こういう70代になりたいなぁと本当に思いました。
◎事例2(小笠原さん)
そういえば、70歳を超えてから歌手デビューしたクールシニアがいます。
ミュージシャン挫折経験の私にとってはとても勇気をもらえる話です。
老人クラブ活動の一環として精力的にコンサート活動を続けています。
彼の凄いのは記憶の衰えを克服するために70歳から演劇の勉強も始めたことです。
その成果でもう2回も舞台に立っています。カッコイイでしょ。
◎事例3(前田さん)
先日、千葉県の大網白里で地元の無農薬野菜と新鮮な魚や肉を使ってレストランを経営しているクールシニアのお話を伺ってきました。
今年78歳になる女性の方です。
彼女は会社員時代、1年の半分を海外で過ごすようなグローバルで多忙な生活を送っていたようです。
地元の人々との交流は引退してから始まったようなのですが、同じような年齢の方が次第に引きこもりがちになるにつれ、人々の関係が薄まっていくことに危機感を持ったようです。
そこで、地元の人たちが気軽に立ち寄って食事をしたり、コンサートを開いたりするスペースを作りたいと思ったのがレストランを始めるきっかけだったと、おっしゃっておりました。
お店の経営経験もなく、レストランに出す調理の知識も乏しく、ましてや資金面での見通しもほとんど立ってないところからスタートしました。
「この年になって借金背負って始めたけど、楽しくて仕方がないわ」という満面笑顔で話す姿は心底素晴らしいなぁと思いました。
私が考えるクールシニアとは?
そうです。
クールシニアとはいろいろなことにチャレンジしながらも、社会での役割をしっかりと果しておこうと前向きに生きているシニアのことです。
私たち「日本クールシニア推進機構」はいずれシニア世代になっていく40代、50代の方、また今、まさにシニア世代にありながら家に引きこもって一日中テレビを見ている方が、一人でも多くクールシニアになって社会で活躍することを広めていこうとしている団体です。
クールシニア・フューチャークリエイトセッションについて
今年の春、シニア世代と現役ビジネスマンやお役人の方も含めた数十名で「クールシニアフューチャーセッション」というタイトルのワークショップを開きました。
「テーマはICT、インターネット、AIを活用した超高齢社会の課題解決策を考える」といった内容でした。
もちろんシニアの方々といってもITリテラシーの差がありますが、一人一人の実際の生活に基づいて話し合うので全く新しい視点のアイデアが出てきました。
それが実現できるか否かは別としてシニア自身が社会課題解決策を考えるなんてことは、普段の生活ではほとんどないと思いませんか。
参加した人たちはITの勉強を改めてはじめたり、メールやSNSを積極的に利用するようになったりと、ICT生活が板についてきたようです。
クールシニア・ムーブメント
「日本クールシニア推進機構」は2020年、東京オリンピックまでに日本のいたるところでクールシニアが活躍する社会が実現できるようにクールシニア・ムーブメントを起こす活動をしています。そのために、シニアだけでなく若者にも、また企業や行政にも積極的に働きかけています。
私自身は今、こういうカッコイイシニアと交流して刺激を受けながらクールシニアの活動を行っていますが、まさにサードステージが始まって結構充実した生活を送っています。
シニアと他の世代の交流で化学変化を起こそうと思って、2か月に1度ワークショップを開いていますし、これからいろいろな地域でシニアが中心に集まれるコミュニティサロンを開いて学びや交流の機会づくりをしようと思っています。
シニア講師の塾
シニア講師が中心の個別指導塾ってご存知ですか。地元では結構評判の塾なんです。シニア講師にとっては生徒さんが孫のような存在なので、生徒を怒ることがないんですね。
それに子供たちが聞いたこともない昔話も出てくるので興味深く聞き入るんです。実は私も週に1度そこで先生やっております。
まとめ
皆さん、人生100年時代がもうすぐやって来ます。その時、あなたはどういうシニアになっていますか。どんなシニア生活を送りたいですか。
クールシニアになって生き生きと楽しく暮らしている姿を描きたいですね。
有り難うございました。
◎稗田素行 『人生100年、どんなシニアになりますか?』