自己都合退職者0人を達成 全国で注目される社会福祉法人 合掌苑

社会福祉法人合掌苑木村繁樹さん 楽々くらサポラジオ出演時の様子

介護施設経営者の共通の悩みである、離職率の高さ。
スタッフの離職を防ぐ対策とは?

自己都合退職者0人を達成し、全国から離職率低下の取り組みを見学に来る、社会福祉法人 合掌苑の取り組みや経営方針をご紹介します。

 

シニアの豊かな暮らしを応援する情報番組「吉川美津子のくらサポラジオ」では、社会福祉法人 合掌苑 木村繁樹さんをゲストにお迎えしました。

60年以上前から高齢者福祉に取り組む合掌苑。
離職率が高い高齢者福祉の現状から、スタッフも入居者も皆が幸せに暮らせるよう現場の改善に取り組み、今では全国から見学に来るほどに。

独居高齢者のコミュニティ作り、障害者雇用、子供の貧困問題などの社会福祉にも貢献したいという熱い想いをお伺いしました。

離職率が下がる取り組みとは

合掌苑でも15,6年前までは離職率が20%を超えていたそうです。
どんどん人が辞めていく中で、離職率が高いと利用者様もスタッフも誰も幸せにならないと痛感し、離職率を下げる取り組みを始めました。
取り組みを続けることで離職率が下がり、その取り組みが世間からも評価され、年間約200の法人の方が見学に来る施設に。

離職率が下がる取り組みについて伺いました。

「人間関係が原因で辞めていく方が9割ということに着目し、コミュニケーションの量を増やすことを考えました。

面談や、さまざまな委員会活動やチーム活動などでコミュニケーションをどんどん増やしてもらうようにしました。

毎週面談して上司と部下がコミュニケーションを図り、チーム同士でもコミュニケーションを図っていく取り組みをいろいろしています。
そういう取り組みを続けることで、だんだん離職率が下がってきました。

介護と看護では壁ができやすいですが、委員会やチーム活動などのプロジェクトをたくさん立ち上げることで、事業部間の交流や横の繋がりが生まれます。」

コミュニケーションイメージ

見学された法人の方たちも実際に実現できているのでしょうか?

「見学に来てくださった方のうち、私たちの取り組みである
・面談
・働きやすさ
・夜勤の体制
などを真似してくださるとことも増えています。
実際に成果も出て離職率が下がった法人様も出てきました。

情報を公開することで、離職率の低下に貢献できればと思っています。」

介護施設を利用者様やスタッフに知ってもらいたい

木村さんがご自分で名付けた『ブランディング推進室』について伺いました。

「これからの介護は、利用者様にしてさしあげる介護だけではだめです。
利用者様やスタッフの方に知っていただき
『ここイイね』
と思って来ていただけるように世間に知っていただかなければならないんです。」

施設経営で大事にしている3つのこと

2018年度には経営品質協議会『経営革新推進賞』を受賞された社会福祉法人 合掌苑。
経営の中で、重点を置いていることは何でしょうか?

「私たちが、大事にしていることが三つあります。
マルコム・ボルドリッジ賞(米国国家経営品質賞)で推進されていることを愚直に行っています。

一つ目はエンパワーメント・・・権限委譲させること
二つ目はクロスファンクション・・・横のつながりを強くすること
三つ目はベンチマーク・・・課題があれば色々なところ、異業種にも視察に行って勉強すること

の三つです。

とくに、ベンチマークについては『自分たちで考えない』という風土があります。
課題があれば、それができている施設に勉強に行き、そこをパクる(真似る)。

私たちは
『TTP=徹底的にパクる』
を大事にして課題に取り組んでいます。」

こういった取り組みが評価されて、全国からの見学が絶えない施設となっています。

介護業界では意識されていないブランディングと情報公開

介護業界ではブランディングを意識している施設は少なく、さらに情報を発信する担当の人を置いているところはなかなかないです。

合掌苑では、自社で蓄積した情報を惜しげもなく公開していらっしゃいます。

「私たちだけが良ければいいというのでなく、他の施設でも職員がハッピーに働ける業界にしないといけないと考えています。
利用者様やスタッフがハッピーでいないと、高齢化社会自体も暗い業界になってしまいますから。
みなさんに幸せに暮らしてもらいたい、明るい業界にしたい、という思いで情報を公開しています。」

幸せのイメージ

今後の取り組みについて

今後の取り組みについてお伺いしました。

「介護をしながら社会課題にこたえる取り組みをしたいと考え、とくに取り組みたい課題が三つあります。

一つ目は、独居高齢者が爆発的に増える中で問題となっている、孤独死です。
寂しい思いをして亡くなる高齢者を少しでも減らしたいという考えで、安い家賃で入れる集合住宅などを作って、その中でコミュニケーションを図れる場所を作りたいです。

二つ目は、障害者雇用。
障害をかかえたお子様の保護者様の『自分たちが先に亡くなり、子供が残ってしまったらどうすればよいのか』という不安を解決できればと考えています。

三つめは、子供の貧困問題。
学校や塾に行けない子供がいて、その子供も学校や塾に行けないという連鎖が続いてしまっています。
誰でも勉強できる場を作って提供したいです。」

まとめ

離職率を下げる対策の普及だけでなく、孤独死や障害者雇用、子供の貧困などの社会課題にも取り組む合掌苑。

福祉の業界も縦割りから脱して、地域共生社会を目指さなければいけません。
ぜひ、合掌苑の取り組みを参考にしていただければと思います。

離職率を下げる対策や、特徴のある勤務体制など、合掌苑の取り組みに興味のある方はご見学いただけます。

毎月1日行う見学会では、森理事長による離職率低下と人材採用の取り組みの説明や、施設内見学、スタッフへのインタビューなどをしていただけます。
参加は無料ですので、興味のある方はぜひご参加ください。
日程は社会福祉法人 合掌苑ホームページ からご確認いただけます。

社会福祉法人合掌苑木村繁樹さん

社会福祉法人 合掌苑 木村繁樹さんのラジオ出演の様子はYouTubeでも配信しています。ご覧ください。

合掌苑の詳しい情報は下記からご覧いただけます。
社会福祉法人 合掌苑ホームページ

社会福祉法人 合掌苑Facebook

社会福祉法人 合掌苑Twitter

川畑 誠志

日本福祉大学社会福祉学部卒業。社会福祉士。 20代から飲食チェーンの会社に勤務。35歳を機に福祉事業での起業を目指して、介護の現場に従事。新規社会福祉法人の設立に参画し理事に就任。特別養護老人ホームなど5事業所の統括施設長として新規開設に携わる。地域で頑張る小さな介護事業所を支えたいとの思いから独立開業。福祉事業コンサルとして、支援を続けている。 http://kurashi-lab.co.jp/

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