混合介護(介護保険サービスと保険外サービスの一体的提供)の未来 第1回

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介護保険サービスと保険外サービスの一体的提供、いわゆる「混合介護」を最初のテーマとして介護保険外サービスに関するコラムを寄稿していきたいと思います。

「混合介護」を取り巻く現状

まずは、現在の「混合介護」を取り巻く制度状況を確認しておきたいと思います。

現行の介護保険法においては、介護保険指定事業者が介護保険サービスと介護保険外サービスを同時一体的に提供し費用を徴収することは、一部省令等で定められたサービス(家賃や食事など)を除いては、原則的には禁じられています
ただし、利用者サービスへの支障がない場合には認められており、その判断は保険者の解釈に委ねられているのが現状であります。

 

介護現場では、訪問介護においては、家事代行などの生活支援を自費サービスとして提供する場合においては、介護保険サービスと一体的提供を行なうことは出来ず、時間を変えて提供したり、担当者を交代したり、一度、ご自宅を退出してから再度サービス提供し直すことや、エプロンや制服を変えるなどして保険サービスとの区別をしっかりするなど様々な工夫が凝らされています。

それらも全て保険者ごとに相談しなければなりません。
また、いわゆる「お泊りデイサービス」における宿泊サービスの提供は、前回の制度改正において運営ガイドラインが示されることとなりましたが、そちらも保険者によっては、独自のガイドラインを示しているケースもあります。

また、デイサービスにおける物販についても保険者ごとの判断に委ねられています。これら全て自費サービスの提供には明確な罰則ルールも存在しておりませんので、事業者判断に委ねられ基準が曖昧なまま多くの事業者がサービス提供しているケースも散見されています。

「混合介護」の今後

このような状況の中、政府では、公正取引委員会が昨年9月に「介護分野における調査報告書」を作成し、「混合介護」を容認すべきであるとの提言がなされました。

また、内閣府規制改革推進室において、昨年10月より「医療・介護・保育ワーキンググループ」が設置され、「混合介護」への規制改革の検討が本格的に開始されました。

更には、政府と東京都が昨年10月に「東京特区推進共同事務局」を設置し、「混合介護」を国家戦略特区として提供できる仕組みの検討を開始、2017年6月に「選択的介護モデル事業に関する有識者会議」が開催され

①事業実施にあたって留意すべき課題・対応策
②ケアマネジメントの在り方
③利用者・契約者への支援・保護
④低所得者への対応を論点に利用者の視点に立ったサービス
が検討されています。

まとめ

今後、「混合介護」の規制緩和が本格的に進んでいくことが予測されますが、規制緩和の前に、現行ルールの曖昧な部分に統一ガイドラインを策定することが急務であり、その上で更なる規制緩和を検討していく手順が必要となります。

次回、更に深堀して論じていきたいと思います。

斎藤 正行

1978 年奈良県生まれ、2000 年立命館大学経営学部卒業 2000 年 4 月 飲食業のコンサルティングや事業再生を手掛ける株式会社ベンチャーリンクに就職 2003 年 5 月 メディカル・ケア・サービス株式会社に入社 2005 年 8 月 取締役運営事業本部長に就任 2010 年 5 月 株式会社日本介護福祉グループへ入社 2010 年 7月 取締役副社長に就任 2010 年 12 月 一般社団法人日本介護ベンチャー協会を設立、代表理事に就任 2013 年 8 月 株式会社日本介護ベンチャーコンサルティンググループを設立、代表取締役に就任 ホームページ:http://jcvcg.com/

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