(サクセス編)
1、「構造変化は、その産業の外にいる者に例外的というべき機会を与える。ところが、産業の内にいる者には同じ変化が脅威と映る」
『イノベーションと企業家精神』P.80
どの業界でも人気・不人気の波はつきものである。しかし、その業界内で働いている人にとっては、なかなかそれを感じることは難しい。産業や市場の構造変化は内部ではなく、むしろ外部の人のほうが気づきやすいのである。つまり、内部にとっては脅威となるものが、外部にとってはチャンスになりうる。変化はこれまでのスタイルを変えることを余儀なくする。変化に対して適応を惜しまない組織がそのチャンスを掴むのである。
(NG)
占いのイメージダウンに繋がるような報道がマスメディアでなされたので、売上げが下がることを覚悟しつつ、ほとぼりが冷めるまでしばらく待つ。
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「イメージダウン」という変化の波に乗れない(察知して分析しない)ことにより、そこから生まれる新しいニーズに気づけない。その結果、今後同じようなことが起きたときに対応できない上に、適応力のある占い師に出し抜かれる恐れがある。
(Good)
占いのイメージダウンに繋がるような報道がなされたので、いったん占いから離れてみて、他のアプローチ、例えば心理学やセラピーの観点などから新しい切り口を考えてみる。
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これまで培ってきた占いの知識と、新しく開拓した知識とが融合しあって自分独自の新しい領域が生まれる可能性がある。もしもそれらが互いに相反するものだとしても、さらに上位のビジネスアイディアに繋がる契機になるかもしれない(止揚;アウフヘーベン)。結果、変化に強い占い師になれる。
16、「人口構造の変化は、いかなる製品が、誰によって、どれだけ購入されるかに対し大きな影響を与える」
『イノベーションと企業家精神』P.93
多くの経営者が市場の内部に着目して、どうすれば成果が上がるのかを検討するのに対して、市場の外部に目を向ける人は少ない。しかし、経営者の置かれる環境たる人口構造こそ比較的予測しやすく、イノベーションを起こす機会としては取り組みやすいはずである。人口構造の変化への対応は、最も効率の良いイノベーション・チャンスなのである。
(NG)
地方で占い師としてお店を出しているのだから、地域密着型で時間をかけて少しずつ顧客を掴んで浸透していけばいい。
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地域密着というからには、その地域の年齢構成の変化と多数派層(一番多い年齢層)をリサーチして、どのような見せ方、占い方がウケるかを緻密に分析しておく必要がある。ただ長く続けて時間が経てば地域になじめると言うわけではない。
(Good)
自分の住む地域を拠点として地域に即した占いサービスを提供しつつ、出張もしくは支店として都市部に向けてよりハイクォリティーもしくはハイグレードな占いサービス・料金設定を打ち出していく。
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地方なら地方のスタイル、都市部なら都市部のスタイルがあると知ることで、多少人口構造の変化があったとしてもすぐに対応できるようになる。また、適応力が高まることにより、どのような環境でもビジネスチャンスを掴めるようになる。
つづく。
(脇田尚揮/ミンストレールグループ代表理事)