シニア向けの老人ホームや住宅施設を最近よく見かけるようになりました。
でも、いざ利用しようと思って調べてみると、様々な種類の施設があることに驚き、戸惑う人も多いはず。
そんな方々に向けて、シニア向けの老人ホームや住宅施設を正しく理解し、見分けることができるように、これから数回にわたって特集します。
ご自身に適した場所にたどり着くために、ぜひご参考になさってください。
常に介護が必要な方は、まずここを探しましょう!
あなたやあなたの身近な人が常に介護が必要になったとき、自宅での生活を続けられなくなり施設を探すことが多くあります。
そんな時は、まず下記の施設を探してください。
◆特別養護老人ホーム(とくよう)
◆介護老人保健施設(ろうけん)
◆介護療養型医療施設
これらは、常時介護サービスを提供できる体制が整えられ、介護保険を利用して入居できる施設です。
この3種類の施設にも、それぞれ特徴がありますので、わかりやすく解説していきます。
特別養護老人ホームは、中重度者専用
【特別養護老人ホーム】
◆入居対象 要介護度が中重度(要介護3~5)の人だけ。
◆入居費用 すべて介護保険が適用されるため、金額は施設間で大差ない。
料金の減免制度があり、年金の額によって4段階に金額が変わる。
◆お部屋 多人数部屋の施設と、個室の施設の2種類がある。
新しい施設は、比較的個室の施設が多い。
個室は、部屋代が高額になる。
◆対応 施設の介護スタッフが常駐し、手厚い対応が受けられる。
看護師やリハビリスタッフは、日中常駐。人数は少ない。
上記の通り、特別養護老人ホームは、常になんらかの介護が必要になった中重度の方専用の施設で、手厚い介護が受けられます。
最近では、看取りまで対応する施設が多くなりました。
費用面も、収入に応じた減額制度があります。
しかし、入居希望者が多く、どの施設も多数の待機者がいます。
待機の順番は申込した順だけではなく、その人の状況に合わせた緊急度や重要度を加味して決められます。
つまり、後で申し込んだ人が先に入居できることも多々あります。
介護老人保健施設は、通過型の一時入居
【介護老人保健施設】
◆入居対象 介護保険の要介護認定を受けている人。(要介護1~5)
主に病院を退院して、自宅やほかの施設に行けるようになるように、医療対応や
リハビリを継続する必要がある人。
入居期間は、6か月が目安。(施設によって対応が異なる。)
◆入居費用 特別養護老人ホームと同じ。
◆お部屋 多人数部屋の施設が多いが、新しい施設は個室型が増えてきている。
◆対応 施設の介護スタッフが常駐し、手厚い対応が受けられる。
リハビリや看護対応の必要な人が多く、スタッフ数も多い。
介護老人保健施設は、医療機関が併設していることが多い施設です。
病院を退院する必要があるものの、自宅や介護施設にすぐに行けなかったり、まだリハビリや医療対応が必要な人が入居します。
そのため、看護師やリハビリスタッフは多めに配置されています。
特徴は6か月間程度で退去しなければならないことで通過型の施設です。
ただし、施設によって入居期限への対応は様々ですので確認が必要です。
介護療養型医療施設は、重度で状態が安定していても常に医療対応が必要な人が対象
【介護療養型医療施設】
◆入居対象 施設ごとに判断されるが、身体的な状態が重度で安定期の人。
頻繁に医療的な対応が必要になる人。
◆入居費用 介護サービス、医療サービス、生活支援サービスなど、その人の受ける内容によ
って費用が変わる。総額は特養と同程度の事が多い。
◆お部屋 多人数部屋の場合が圧倒的に多い。また、病院内の病棟の一つをこの施設に転用
している場合が多い。
◆対応 看護師による対応が手厚い。生活の支援は介護スタッフが担当してくれる。
この施設は病院内の1つの病棟を転用している場合が多く、長期に入院しているような感覚で利用されています。
食事や排せつ、持病への対応などの面で、医療的な処置が多い方に適しています。
生活の場というよりは、治療の場という雰囲気であることが多いと思います。
まとめ
今回は、とくに中重度の方に適した、対応が手厚い施設をご紹介しました。
聞き覚えのある施設でも、その内容や違いは意外と知られていないことも多いものです。
いざ施設探し、となった際の予備知識として、頭の片隅に入れておいていただきたい内容です。
実は「老人ホーム」「シニア住宅」には、もっと多様な種類があります。
次回以降、順にご紹介していきますので、そちらもぜひご覧ください。