地域でのつながりで「地域力」を取り戻せ

少子高齢化が進んでいく今後の社会にいかに対応し克服していくか、これは福祉業界だけではなく社会全体の問題・課題でもあるのですが、行政、企業、教育機関、CSO(地域・市民団体)などの社会を構成する営利・非営利セクターは自団体の持つ社会資源の利用に手一杯なことから、セクター同士の連携が不十分であり、なかなか社会を挙げての動きに繋がっていないのが現状です。

また厚生労働省等では「地域共生社会」構想も進んでおり、いわゆる「多セクター間協働」が社会的ニーズともなっています。

そこでここでは各セクターの主な動きを追いながら少子高齢化の対策ともなる「地域共生社会」の実現を通した「地域力」の再生を考えます。

行政について

自治体を基本とするこのセクターでは、人口減少と社会問題の多様化により、税収の減少・いわゆる行政サービスの量・質の低下が指摘されています。

今の時代だからこそ真の意味での協働の再考が求められています。

企業について

正に地域の社会を回す原動力となってきたセクターですが、地方では人口減少と都市への労働力の流出も原因となり、地域の消費力減による売上の減少と労働力不足の悪循環が続いています。

ここでは地域コミュニティなどの協働によりコミュニティビジネスなど地域で資金が回るようなビジネスモデルの確立が急がれています。

地域コミュニティについて

自治会などを中心とした、昔から地域力の維持を担ってきたセクターですが、少子高齢化の現場ということができます。

農業・地場産業等を中心として最近ではコミュニティビジネスなどを切り口に人・カネの動きを作り出していますが、関わる人の絶対数と事業規模の縮小・地元意識の多様化等からコミュニティとしての機能の維持が難しくなってきています。

コミュニティビジネスにおいては企業だけでなく教育機関などとも連携して、イベント的ではなく平生続けられるようなビジネス・人材育成が重要で、介護施設等いわゆる守る対象という位置づけのコミュニティから社会資源の提供元へと転換を図ることが求められています。

教育機関について

少子化により教育機関の運営自体が困難な状況や、貧困家庭の増大もあり、社会資源の担い手としての子どもが十分な教育が受けられない状況にあります。

在学中からインターンシップなどで社会に繋がり、社会問題解決を仕事として取り組めるような動きづくりが重要です。

また大学などでも社会問題解決に繋がるような研究およびカリキュラムづくりが求められています。

最後に

私は先日、高松市の協働づくり懇談会の委員に委嘱いただいたこともあり、地域の中の様々な団体の連携を具体的に進めるという役割も求められているような気がします。

例えば福祉施設などにおいても、事件のあった神奈川県の障がい者施設のようにあまり、地域で認識されていない状況の施設も多いのではないでしょうか。

こんな状況を改善し地域のためにも役立てる方法として、例えば施設のレストランを地域にも開放し、子ども食堂としての利用や、入所していない独居の高齢者の安否確認・栄養改善にも役立てます。

また施設内でコミュニティビジネスの取り組みなどを企画することで、地域とともに歩む施設を目指すこともでき、ひいては将来的な施設入所者の確保にも繋がることも予想されます。

このように様々な分野の団体で繋がることにより、これまでコストのみがかかり社会的な利益を生み出せていなかった地域の状況を変えていくことができると考えられます。

地域のくらしやすさは経済力アップだけでは実現できません。地域の繋がりの持つ「地域力」を取り戻すことこそ、これからの社会に求められているのではないでしょうか?

丸山 輝裕

かがわ地域連携センター共同代表、halqa-はるか代表 日本福祉大学卒業後、東京で国際協力専門紙に関わりながらフェアトレードなど国際協力団体での活動を進め、フェアトレード団体halqa-はるか設立。 香川県で地域コミュニティに関わる中で行政・企業・コミュニティ・教育機関・NPOなどの他セクタ間協働で仕事づくりを進める中間支援団体「かがわ地域連携センター」設立。現在に至る。
Facebook:https://www.facebook.com/teruhiro.maruyama

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