東京レインボータウンFMで、毎週日曜日(18:20~19:00)に放送中「吉川美津子のくらサポラジオ」。
視聴者から寄せられたご質問に、コラムでおこたえします。
今回は第3弾。
「親が入院していて、退院が近づいてきた。介護保険の利用申請はいつすればいいの?」
入院期間の定めが厳格な医療機関
はじめに医療機関について、少しふれておきます。
現代では医療機関の入院期間は、厳格に定められています。
今回のご相談では、急に倒れて入院されていますので、このような場合は「急性期病院」と呼ばれる地域の中核病院に運ばれ、入院します。
重症な患者さんに対して、手術や集中的な治療が行われる医療施設で、入院の目安は2か月間です。
その後は「回復期リハビリテーション病棟」という、リハビリを専門的・集中的に行って機能回復を目指す病院に転院することになります。
ここでの入院の目安は5か月間です。
このように医療機関は施設ごとの機能分化と役割分担、そして入院期間の定めが明確になっています。
逆に言うと、次に移るべき時期がわかっていますから、そこに向かって準備していくことになります。
介護保険の相談はソーシャルワーカーへ
ある程度以上の規模の病院には、たいていソーシャルワーカーと呼ばれるスタッフがいます。
暮らしや介護に関する相談を担当する人で、病院の中にいる唯一の福祉の専門家です。「地域連携室」や「相談室」のような部署にいます。
介護保険についての相談も、まずは病院のソーシャルワーカーに話してみてください。
詳しく説明してくれますし、丁寧に対応してくれます。
入院中の人のことは把握していますので、いつ、どうすればよいか、すべて理解してくれているはずです。
手続きの代行や、次に利用する機関への橋渡しなどをしてくれますので、とても安心です。
回復期リハビリテーション病棟の次は?
回復期リハビリテーション病棟を退院すると、多くの人が自宅に帰ったり、介護施設に入居したりします。
ここから、介護保険サービスの利用が始まるわけです。
病院を出て介護サービスの利用を始めるという事は、治療の場から暮らしの場に移るという事です。
集中的にリハビリを受けていた人が、急に介護施設に引っ越すと、戸惑いを覚える人も多いと思います。
特に年齢が若い人ほど、継続してリハビリを受けたいと望む場合が多いことでしょう。
介護保険サービスには様々な種類がありますので、ご自身の望みに沿ったサービスを選んで利用しなければなりません。
また、介護保険サービスと医療保険サービスの両方を利用できる場合もありますので、専門家としっかりと相談して決めてください。
まとめ
介護保険サービスの利用開始の時は、戸惑いや迷いがあって当たり前です。
大切なことは、病院ソーシャルワーカーや担当ケアマネージャーが、ご自身の想いや考えを理解してくれているかどうかです。
遠慮して、思ったことを伝えられないままだと、かえって遠回りする結果になりかねません。
相手を信頼して、思い切って、ご自身の想い、ご家族の考えを伝えるように心がけてください。
それが、納得できるサービス利用の第1歩です。
そして、最初からすべてがうまくいくわけではありません。
「思っていたのと違った!」ということも、当然あります。
時間をかけて何度も調整しながら進んでいくことで、ご自身に合った形が出来上がっていきます。
大変なご努力だと思いますが、焦らず気長く取り組んでみてください。