みなさん、普段お世話になっている周りの方々や、感謝の気持ちを伝えたい時どのような手段で伝えていますか?
私は、ニットデザイナー兼アーティストとしての私らしいニットのかたちで感謝の気持ちを伝えています。
今回は、そんな少し変わった感謝の気持ちの伝え方をお話させていただきます。
そもそもニットとは?
ニットと聞いて、セーターを思い浮かべる方が多いと思いますが、ニットとは日本語に訳すと”編む”という行為の手芸の一種です。
布=織物に対して、ニット=編み物という概念です。
世の中の生地は基本的にこの織物か編み物の構造で成り立っています。
織物に対して、織り機がなくても気軽に糸さえあればできるのがニット。
編み針と糸さえあれば物が作れるし、糸さえあれば手と糸のみで編むこともできます。
編み物の歴史は長く、先土器時代から1本の糸を編むという行為で網を作り始めたのが世界的に最初に発見された編み細工だったそうです。
先人達の知恵は素晴らしいと感心すると共に、先人達からの想いを馳せて受け継がれてきたのでしょう。
私とニットの出会い
私がニットに出会ったのは小学生の頃です。
曽祖母が昔、お裁縫教室をやっていたので毛糸玉をたくさん持っており、遊びに行く度に毛糸玉を私にプレゼントしてくれました。
また、母がものづくりが好きだったので簡単な編み方を教えてもらい熱中して編んでいたのを覚えています。
その後は、高校生の時に高齢者の方々と一緒に混ざって編み物を勉強したり、服飾専門学校に通いニットを専門に勉強もしました。
そうした環境の中で、自然とニットが身近な存在になっていきました。
ニットで感謝の気持ちを伝えたきっかけ
私が、ニットアーティストとして行なっている活動の一つにまだ始めたばかりですが、「似顔編み」という活動があります。
「似顔編み」とはニットで編まれた似顔絵のことで私が作った愛称です。
祖母の88歳の米寿の年の誕生日に、何か祖母に特別な感謝の気持ちを伝えたいと思い作り始めたのがきっかけです。
祖母はお友達も多く、周りでニットを編んでいる方からマフラーやニット帽などのプレゼントをもらっていたりしたので、私らしい、私だからできるものをプレゼントしたいという想いから製作しました。
祖母は、まさか自分の顔が編まれた絵をもらえるなんて思ってもいなかったので、「こんなプレゼントもらったことないよ!」と大いに喜んでくれ、「友達に会う度に、沢山自慢したよ!」と言ってくれました。
ニットは、丁寧に手編みで製作しているので、より心のこもった気持ちを伝えることができる。と感じました。
まとめ
◆ニットは、大昔からの先人の知恵が活かされ、想いを馳せて伝わってきた技法なので、丁寧かつ心のこもった手作りの作品を製作することができる。
◆そのような心のこもった作品は、作り手から貰い手に感謝の気持ちを伝える手段として多くの人に感動を与える。
◆テクノロジーが発達していく中で、機械にはできない手作りの作品には、量産品には表現できない価値がうまれ、今後忘れてはいけない人と人との繋がりの大事なツールの一つとして必要な方法である。