市原悦子さんが1月に亡くなりました。
享年82歳。7年前に亡くなった夫の舞台演出家、塩見哲さんの隣の樹木葬に埋骨されました。
二人は大のおしどり夫婦で、夫が長く闘病生活を送ったこともあり、「骨壷やコンクリートの下に眠るのはかわいそう」と言って、二人で眠ることができる関東近郊のお寺の樹木葬を選びました。
樹木葬とは
確かに最近、樹木葬を選ぶ人が多くなってきました。
樹木葬は20年前に岩手県で始まり、全国に広がっています。
樹木葬は、土に直接埋骨し、花に生まれ自然に還り、いつまでも忘れない。そして、いつも見守っている、という埋葬方法です。
もちろんお一人でも、夫婦でも、守る人がいるなら家族でも大丈夫です。
石を用いないので維持や管理もかからず、次の代に負担を掛けることもないのが、人気の理由かもしれません。
岩手の私の寺で運営する樹木葬は桜をシンボルとした樹木葬で、開園以来10年が経ち、4月中旬、毎年見事な花を咲かせています。
桜は鎮魂の花、供養の花とも呼ばれます。
桜は人の心をウキウキ、ワクワクさせる半面、何かもの悲しくさせるのは、日本人の心に眠るDNAなのでしょうか。
桜はまた、忍耐や希望の花でもあります。
寒さに耐えて春咲く桜は、大切な人を失っても苦難を乗り越え、希望や明るさを気づかせてくれます。
市原悦子さんと樹木葬
市原さんは「緑の森の中で眠りたい」石のお墓や、骨壺に入るのも希望しなかったと言います。
石のお墓の下はコンクリートで、いつまでも土には還りません。
また、骨壷もそうですが、暗くて狭い場所に死後眠るというのは、想像しただけで気持ちが暗く落ち込んでしまいます。
市原さんはそのところを「森の緑の中で眠りたい」と考えたのでしょう。
森の中で眠るということは、土に還るという事です。
お骨は年月をかけて樹木の根に吸収され、木の養分となり、まさに森の樹木となります。
年に一度眠りから覚め、静かに花を咲かせます。
まして愛する人の隣で眠り、一緒に花を咲かせることができたら、どんなに素敵なことでしょう。
もし、市原さんが東北出身で、桜をこよなく愛していたなら、間違いなく「みちのく桜樹木葬」を選んだのではないでしょうか。
お墓選び
お墓選びも終活の一つですが、安らかな終末と死後の安寧を、お寺終活の視点でこれからも皆さんと考えていきましょう。
みちのく桜の樹木葬は、私が住職する常堅寺と、社団法人「てあわせ」が一体になった、「てあわせ常堅寺」のサイトでご覧いただけます。
下記リンク、または「てあわせ常堅寺」で検索ください。