今どきの老人ホーム・介護施設の探し方事情

介護施設を探すとき、あなたはまずどうしますか?
「とりあえずインターネットを眺めてみる」
「ケアマネジャー(介護支援専門員)やMSW(医療ソーシャルワーカー)、包括支援センターに相談してみる。」
こんなところでしょうか。

ここ数年で「老人ホーム紹介事業」も増えてまいりました。

介護施設にも様々な種類があり、数も多い。
何より「費用はどれぐらいかかるの?」と大変気になりますよね。
そんな中で「自分に合った介護施設」を探すことは容易ではありません。

そもそも施設に入所したいのか、入所せざるを得ない状況にあるのか、様々な事情はありますが、今回は入所することを前提に、「自分に合った介護施設」の探し方について考えたいと思います。

介護施設の種類

まず介護施設にはどのような種類があるのでしょう?

「特別養護老人ホーム(特養)」

「経費老人ホーム(ケアハウス)」

「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)」

「老人保健施設(老健)」

「介護付有料老人ホーム」

「住宅型有料老人ホーム」

「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住、サ付)」

「健康型有料老人ホーム」

と、これだけ答えられる方は、おそらく介護施設を実際に探したことがあったり、
または介護に携わる仕事をする方ではないでしょうか。さらに、それぞれの定義を的確に答えることは一般の方には難しいでしょう。

では簡単にそれぞれの特徴を説明しますと、

「特養」

公共の施設で、自治体の助成もあり所得に応じて低価格で利用できます。
「要介護認定」で「介護3以上」の認定を受けた方が対象です。

 

「ケアハウス」

こちらも公共の施設で、自治体の助成もあり所得に応じて低価格で利用できます。
ある程度自立した方が対象で、介護度が重くなると退所しなければならないケースがあります。

 

「グループホーム」

認知症の診断を受けた方が対象の施設です。
それぞれが役割を持ち、その人らしくできるだけ自立した生活が送れるよう、
協力し合いながら共同生活をする施設です。費用は月々16万前後です。

 

「老健」

リハビリを目的とした施設です。3か月を目途に退所し、在宅復帰または他の介護施設などへ移ります。費用は月々13万前後です。

 

「介護付有料老人ホーム」

自治体の助成が無く、入居者の利用料で運営するため、高額な施設も多く、初期費用は0~数千万と幅があります。月々の費用は15万前後から30万以上です。
施設ごとにサービスも様々で、介護サービスは施設の中の職員が24時間対応し、重度の要介護者でも対応可能な施設が多いです。

 

「住宅型有料老人ホーム」

こちらも自治体の助成は無く、費用もサービスも様々です。

比較的軽度の「要支援」や「要介護」の方が対象となり、介護サービスが必要なときは、在宅サービス扱いとなりますので、自宅にいるときと同じようにケアマネジャーがつき、外部のヘルパーやデイサービスを利用します。

 

「サービス付き高齢者向け住宅」

都道府県から認可を受けた賃貸住宅です。主に民間事業者が運営し、自治体の助成はありません。
賃貸アパートに生活相談や見守りをしてくれる職員が滞在しているイメージです。
主に自立や要支援の人を対象とし、介護サービスは「住宅型有料老人ホーム」と同様に外部から取り入れます。
中には重度者向けの施設もあり、介護職員や看護師が常駐している施設もあります。

 

「健康型有料老人ホーム」

主に民間事業者が運営し、自立や要支援の方が対象です。費用は高額な施設もあり、スポーツジムなどの設備が充実しています。比較的自立した方が対象で、介護が必要になると退所しなければならないケースがあります。

介護施設の選び方

では、何を基準に施設を選ぶべきか、

 

1、本人の身体状況を考える

上記のように施設にはそれぞれ役割があり、自立や要支援の方を対象とした施設、重度の要介護者を対象とした施設などがあります。

費用のみで考え、見学や申し込みに行っても、施設側の入所判定で受け入れを断られることがあります。
また、ある程度先のことも考えておくことをおすすめします。
例えば病気の関係で、近々介護必要になると予測される場合、「軽度者向けの施設」に入所しても、介護が必要になった時、退所を迫られるケースがあります。
転居すると一時金などが余計にかかってしまったり、環境が変わることは本人とっては大きな負担にもなります。

 

2、費用について考える

介護施設に入る際、一時金、敷金、事務手数料、家賃や管理費・食費などの月々の費用が発生します。
ほとんどの方が、年金や貯蓄を切り崩しながら入居費用に充てていることでしょう。
貯蓄を切り崩さなければならない場合、どれくらいの期間支払いができるのか、予め考えることも必要です。

安価な「特養」「ケアハウス」は待機者も多く、すぐには入れないのが実情です。
そこで、一旦「特養」や「ケアハウス」に申込みをし、空室ができるまで他の有料老人ホームなどで過ごす人も多いです。

高額な有料老人ホームでは、娯楽設備が充実していたり、介護職員も高級ホテル並みの接客技術を習得している施設があります。ただ、本人の身体状況などの理由で、そういった設備が利用できない場合もありますので、高額だからといって、必ずしも本人に合っている訳ではないので、本当に必要なサービスであるかどうか見極めが肝心です。

 

3、その他の条件

介護施設の立地も考える必要があります。
ある程度自立した方なら、周辺にスーパーなどの買い物ができる店があれば、自分で買い物に行き、できるだけ介護サービスを使わず、自立した生活ができるかもしれません。

交通量が多い場所だと、慣れてない方は騒音で落ち着かず、特に認知症の方は環境の変化に対応することが難しく、不穏な状態が続くこともあります。

また、家族の家の近くであれば、面会や緊急時にもすぐに駆け付けることができます。
何より、面会に来てくれる人がいることは、本人の孤立感を少しでも和らげることができるのではないでしょうか。

 

4、ケアマネジャーやMSW、紹介事業者に相談する

まずはケアマネジャーやMSWなどに相談する方が多いかと思います。
彼らは本人の身体状況も熟知し、適切なアドバイスをしてくれる方がほとんどです。
ただし、有料老人ホームなど施設のことに関してはあまり情報を持っていない人も多く、ケアマネジャーやMSWが「紹介事業者」に依頼し、施設の情報を集めています。
また、ケアマネジャーやMSWに相談したうえで、直接本人や家族が紹介事業者に相談するケースも増えております。
ほとんどの紹介事業者は相談から見学の同行まで無料で、情報量も多く、公平・中立の立場で適切な施設を選べるよう提案してくれるので、利用しない手はないでしょう。
紹介事業者は施設側からの広告費や紹介手数料などで運営しております。

まとめ

いかがだったでしょう。

介護施設の情報はインターネットに溢れております。
ただ、その情報はその施設の側面に過ぎないということを覚えておいていただきたいです。

また、ケアマネジャーやMSWも人であり、価値観も違います。偏った情報に頼るのではなく、様々な角度から検証が必要です。
実際に施設を見学したり、「お試し利用」ができる施設もありますので、是非利用することをおすすめします。

本人が心やすらぎ、家族が安心できる施設を選べるよう、参考にされば幸いです。

渡邉 浩和

1978年生まれ。愛知県名古屋市港区出身。 株式会社こころ代表取締役。 専門学校卒業後、特別養護老人ホームで8年勤務したのち、2003年11月株式会社こころ設立。 現在は、介護付有料老人ホーム・居宅介護支援事業所・コンサルティング事業などを行う。
HP:http//www.kokoro-care.co.jp

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