2月下旬、高松市内で子どもたちに福祉を身近に感じてもらうイベント「ふくしのがっこう」が開催された。
主に小学生低学年とその保護者を対象とし、今年で3回目。
活動メンバーの中心・四軒家啓介氏に話を聞いた。
イベントのきっかけは
2016年高松市のアーティスト・イン・レジデンス事業として、仏生山町で行われた親子が同級生になるアートプロジェクト「おやこ小学校」での社会科の授業を依頼されたのがきっかけでした。
高齢者になる疑似体験、福祉用具体験、寸劇を中心に行いましたが、
「わかりやすかった」
「子どもと参加できたのが良かった。続けてほしい」
など、予想以上の反響があったこと、参加者の心に届いたということがわかり、続けることにしました。
工夫していることは
親と子が同じ場で「福祉」を考える機会はなかなかありませんし、一般の人にとって「福祉」というと、近寄りがたいイメージがあるもの。
私たちが発するメッセージは「相手を思い合おう、助け合おう」というシンプルなもので、参加対象者や人数の受け入れをあえて制限して設定したことで、ひとりひとりがきちんと体験でき、私たちのメッセージもきちんと届く。
高学年ともなると多感な時期で、恥ずかしさなどもあると思うので、親と子で一緒に参加というのは難しいと思います。
低学年のうちに「福祉」に触れて欲しい。小さな感動でも、そうした場の記憶というのはずっと残っていくと思うのです。
プログラムについて
“授業”はアイスブレイキングタイムや寸劇、ダンスなど遊びの要素を十分に取り入れ楽しさを忘れないように進めていきます。
最後に、部屋を別々にして、親と子どもそれぞれに手紙を書いてもらいます。
親の参加者には、イベントを通して感じたこと、自分の両親や子どもに向けてメッセージを書いてもらい全員発表、子どもには、イベントの感想やおじいちゃんやおばあちゃんへの手紙でもいいからと自由に書いてもらい、発表したい子どもだけ発表してもらいました。
子どもでも、30分くらいであれば集中して話を聞くことができるので、親には全員発表してもらいました。
反応は
「最初は『休みの日なのになぜ“学校”なの』と言っていた子どもが、『ふくしのがっこうだったら来てもいい』と言っていました」
「おばあちゃんへの電話がいつもよりゆっくりと大きな声になっていました」
といった反応がありました。
親の真剣なメッセージ、涙を見て、もらい泣きする子どももいました。
自分が親の立場になって、『あの時、両親は自分のためを思って叱ってくれていたんだ』など、両親の存在に対し感謝の気持ちなどが湧いてくるものです。
親にとっての「両親」も、子どもにとっての「祖父」や「祖母」という存在は、いつまでも元気ではないということを踏まえて、これからどう接していくかを考えるきっかけにもなればと思っています。
人を思いあったり、助け合える人が少しでも増えれば、地域で幸せに暮らしていける。そんなメッセージを「ふくしのがっこう」を通して伝えて続けていきたいです。
………
今年は8組16名ほど、見学者7名ほどが参加した。
活動メンバーはケアマネジャーや介護福祉士など。今年は男女5名。