ケンカしたときに「ごめん」と言われたのに無性に腹立たしく思った経験はありませんか?
また逆に「ごめん」と謝ったのに余計に相手を怒らせてしまったことはありませんか?
なぜこのような現象がおこるのか、少しひも解いてみたいと思います。
怒りとは
怒りとは二次感情ということをご存知でしょうか。二次感情とは一次感情に反応して出てくる感情です。
怒りに繋がる一時感情の代表的なものとしては、「悲しい」「寂しい」「怖い」「不安」です。
また怒りは表現であるという説もあります。
自分が感じている「悲しい」や「寂しい」「怖い」「不安」を相手に伝える為に怒るという表現をするそうです。
そして意外に人は自分の怒りの奥に隠れている「悲しい」「寂しい」「怖い」「不安」に気づかず癒されないまま過ごしてしまうことが多いです。
そうするとコミュニケーションで、同じような出来事が起こったのをきっかけに、癒されなかったこれらの感情が呼び起されます。
ケンカ中「あの時だって・・・」といったような言葉を言われたり、自分が口にした経験も1度はあるのではないでしょうか。
一次感情は素直な気持ち
私は中学生の時、剣道部に所属していました。
毎日練習に励み部長という立場もあり、部員が帰るまで残っていたので帰宅するのはいつも遅かったです。
学校から自宅までは30分ほど歩くので、学校をでるときメールをするよう親に言われていました。
たまにメールするのを忘れて帰宅すると「こんな時間まで何やってたんだ!心配しただろ!」と怒られました。
当時はもちろん怒りについて深く考えたことがなかったので、わざとじゃないのにこんなに怒られる意味がわからないと思いながら「ごめん、ごめん」と言っていました。
すると「ごめんて言うならちゃんと連絡しなさい」とさらに怒られ、謝ったのに。とこちらも反抗していました。
ここでフォーカスするのは連絡がなかったことに対して親がどんな「感情」を抱いていたかです。
ここでは心配していたということから「不安」が当てはまります。
もしもあの時、心が感じていたまま「メールがなかったから心配した。不安になるから必ず連絡してね」
と言われていたら私も「わかった。不安にさせてごめんなさい」と親の気持ちに寄り添うことができたかもしれません。
感情を素直に伝えて相手が受け取り、素直に伝えるというのはコミュニケーションの基本です。
しかし一緒にいる時間が長かったり、親しい関係であればあるほど疎かになりがちなように感じます。
相手の一次感情の知り方
上記の例では相手が素直に伝えてくれたらとなっていますが、では、こちらから相手の怒りの本質を知るにはどうしたらよいのでしょうか。答えはとてもシンプルです。
1.話をききましょう
まず、相手の表現(怒り)をすべて吐き出させてあげましょう。
ここで大事なのはただただ聞くことです。途中で口を挟むと相手は敏感になっていますから、否定された、受け入れられてないと感じてしまう恐れがあります。しっかり話をきいて安心感を与えましょう。
2.訊いてみましょう
話をしっかりきいていくと相手が落ち着きを取り戻していくのを感じると思います。
そのタイミングで「その時にどんな気持ちだったの?」や「どんなことを感じたの?」と尋ね訊きましょう。
そこでも相手がシンプルに気持ちや感情を言葉にするまで繰り返します。
あなたとの関係性をよりよくしていく為にあなたを理解したいという想いが伝わると「不安だった」「悲しかった」「寂しかった」「怖かった」などが出で来ると思います。ここまできたら次です。
3.感情に寄り添い謝りましょう
シンプルな感情と出会えたら「〇〇な思いをさせてしまってごめんなさい」と素直に伝えましょう。
すると相手は自分を理解してくれたことに癒され怒りやその奥の感情が一気に消えていきます。
自分自身も相手を理解できたことや、ちゃんと謝れたことに癒されます。
まとめ
◆怒りは二次感情であり一次感情の表現であるということ。怒りではなくその奥に隠れたシンプルな感情を見つけましょう。
◆私たちは日常の中で行動に対して謝ることが多いように感じます。例えば、ぶつかってしまったり、仕事でみすをしてしまったりなど。しかし、本当に大事なのはその行動によって相手がどんな気持ちを感じているかではないでしょうか。
◆私が思うコミュニケーションとは自分と人は本質で繋がっているということを信じ、関係性を共に育んでいくことだと思います。「忙しい」という漢字の通り、やるべきことに目を向けて心を亡くしてしまっていませんか。デジタルが発展し連絡ツールが便利になりコミュニケーションをとる時間が減ってきている今だからこそ、相手の心に寄り添うヒアリングを大切にしていきましょう。