人間関係でよく耳にするのが、「○○さんが苦手です」「〇〇さんが嫌いです」といった言葉です。
悪いことだとは思いませんが、例えば同じ職場に苦手な人がいて「嫌だな」と感じながら仕事をしていて楽しいでしょうか。
人生の3分の1の時間は仕事に使っています。仕事は相手、【人】がいて成立するものです。人間関係は必須ですよね。
そして、その相手の思考や言動を変えることはできません。
しかしながら自分の意識は成長させることができます。ものの見方、とらえ方の角度を少し変えて今の人間関係を見直してみましょう。
心の豊かさがより感じられるようになるのではないでしょうか。
そもそもなぜ嫌いと思うのでしょうか
突然ですが私は父が嫌いです。
理由はまだ私が幼いころ、父は気分や感情の変化が激しく自分や家族を攻撃していた時期があり、とても悲しい思いをした体験があるからです。
私の父は愛情深く心配性で、努力家であり、気持ちを表現するのが苦手で不器用な性質をもった人です。
そんな父は持病を抱えながらも家族を思い一生懸命働いてくれたおかげで、お金に苦労することなく、ここまで育ててもらいました。
ですから私は父のことを誰よりも尊敬していますし、誰よりも愛しています。
一見聞くと矛盾しているかのように感じるかもしれませんが、ここでお伝えしたいのは「嫌い」と思うのはその人個人のことではありません。その人がとっている「行動」なのです。
そのままでいいんです
好き、嫌いの話をしてよく出てくるのが
「わかっちゃいるけど、どうしても好きになれないんです」といった言葉です。
はい。いいと思います。
嫌いを無理をして好きになろうとしないでください。無理をするともっと嫌いになります。
ですから自然体で嫌いと感じたら嫌いなんだとそのまま受け入れましょう。
自分の感性ですから、むしろ感じたことをそのまま大事にしてください。
好き嫌いと愛することは別次元です。「好き、嫌い」は感覚ですが愛は自分の意識を向ける努力で表現し、育むことができます。
嫌いでも愛せるステップ
1.理解に努める
私たち人は意外とその人の今までの過去の行動パターンで決めつけてしまいがちです。
「○○さんはこういう人だから」と何かを伝えることをあきらめてしまった体験の1つや2つはあるのではないでしょうか。もちろん私もあります。
しかし、大切なのは「今」です。今この瞬間に相手がどんなことを感じていて、どんなことを考えているのかを理解することはとても大事です。まず本人に聞いてみましょう。理解するにはまずヒアリングからです。
2.受け入れる
相手が感じていることをきいたら、そのまま受け入れましょう。
ここで注意しておきたいのが、アドバイスです。
アドバイスは時として自分の経験からの考えや価値観を相手に押し付ける行為となります。すると人は今の自分を受け入れてもらえなかったという体験をしてしまいます。相手がアドバイスを求めた場合にのみ伝えてあげましょう。
3.許す
受け入れたらその人のとった行動を許しましょう。
誰も最初から人を傷つけよう、困らせてやろうと思ってはいないのではないでしょうか。赤ちゃんを思い出してください。赤ちゃんは誰かを困らせようと泣いていますか?今を全力で生きていますよね。
でも自分では何もできないので、手助けを求めているのです。大人も同じです。
表現方法が変わった、もしくは素直に表現することに抵抗を感じるようになってしまっただけなのだと思います。
素直になるのに抵抗するほど傷ついた体験をしてきたのではないでしょうか。だって誰しも生まれたときは純粋無垢な赤ちゃんだったのですから。
4.感謝
嫌いな人に心から「ありがとう」を伝えたのはいつが最後ですか?
嫌いな人は自分にとてもたくさんのギフトを贈ってくれているのです。
まず、嫌いと感じられることです。それだけで感性を磨いてくれています。
それに、嫌いがある分、好きが明確にわかるようになると思います。またどう関わっていくことがお互いの為なのかを考えるきっかけをくれます。存在してくれるだけで成長させてくれるのです。素晴らしいギフトではないでしょうか。常に贈り物をくださっています。「人から何かもらったらなんて言うの?」私たちは幼いころ誰かに教えてもらっているはずです。魔法のことば「ありがとう」を。
まとめ
◆嫌いでも愛せます。なぜなら嫌うベクトルは行動で、愛するベクトルは個人だからです。
◆感性があり嫌いを感じられるので、そのまま受け入れ味わうことを大事にしましょう。
◆理解にはまずヒアリングが大切です。
◆どんな行動にも素晴らしいギフトが隠されています。ゲーム感覚で「ありがとう探し」をしてみてください。見つけられたとき、心の豊かさを感じられるはずです。