最近、「特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)」、「サービス付き高齢者向け住宅」、「介護付有料老人ホーム」、「グループホーム」など様々な施設がありますが、今回は年間数十カ所の施設を訪問して研修講師活動を行っている筆者からみた、良質な施設かどうかを見分けるコツについて考えてみたいと思います。
<選ぶ時の見極めポイント>
①電話や初対面の時の対応
多くの場合、まず施設に電話をかけ施設見学の予約をすることになると思います。
その際の電話対応も見極めポイントの一つとなります。
ぶっきらぼうな電話対応や、たらいまわしにされるなどの対応をされる場合にはあまり感じがよくありません。
また、施設見学当日の受付時の職員の挨拶や応対する職員の対応についてもよく観察しましょう。
気持ちの良い挨拶や真心を込めて対応してくれる施設であれば質の良い施設である場合が多いと私は実感しています。
筆者の経験からすると、まず施設の玄関を入ったときの雰囲気でおおよその施設の質がわかります。
②見学時の現場職員の表情や対応
施設見学時に入居者が生活するスペースにも案内されることになると思いますが、その際に注視すべき点があります。
それは、現場職員の表情や対応です。
現場職員がバタバタと険しい表情で走り回ったり、入居者に対しての声かけがきつかったりする場合などは職員の満足度も低く、不満を抱えて働いている可能性が高いと思われます。
職員の満足度が低ければ、そこで生活する入居者の満足度も低い可能性があります。
この原理は、サービス・プロフィット・チェーン(ServiceProfitChain:「従業員満足度(ES)が高まれば、顧客満足度(CS)も高まって、企業の利益も高まる」)というフレームでも説明されています。
③入居者の表情
現場職員の表情については、上記でも説明しましたが、顧客側の入居者の表情を観察することも大切です。
入居者の満足度が高ければ、自然と表情にも表れるものです。
入居者の表情が無表情ではなく、穏やかな表情をされていればサービスの質の高い施設といえるかもしれません。
もちろん一瞬の表情ですからそれだけをもって「質が高い」と判断することはできませんが、見極めるポイントの一つとして知っていただければと思います。
④ホームページ(ホームページで母体や関連事業、経営理念等を確認)
施設の多くは自前のホームページを作成しているところがほとんどです。
ホームページからは、事業所の概要や関連事業所等についての情報が入手できます。
また、その際、経営理念を確認することも大事です。
その事業所がどのような経営理念を持って貢献しようとしているのか、また事業所の使命(ミッション)は何かを確認することで、利益追求以外にどのようなことを大切にしているのかといった経営者の考え方がわかるものです。
まとめ
以上のように、良質な施設かどうかを見分けるコツについて見てきましたが、施設の外観といったハード面のみの評価に左右されることなく、本当の意味でのサービスの質の高い施設を選ぶことが大切です。
入居期間は一部の施設を除き年単位でお世話になるところが多く、人生の中でまとまった期間過ごす場所です。
ぜひ上記のポイントを参考にしていただき、「預けて良かった施設」、「入って良かった施
設」に巡り合えることを願っています。